ある方と会ってきた。名前はその方の都合もあると思うので言わないが、本当に素敵な方だった。
あの頃、十代だった辛かった頃、俺はこの方に救われた。救われたといっても直接会った訳でなく、ただその方の本を読んだ。それで、自分の信念を貫く事ができた。絶望の中に希望を上げる事ができた。
その後も辛い事や悔しい事、自分を見失いそうになった時、必ず、テレビや雑誌を通してこの方が現れては俺を救ってくれた。
いつか会えると信じてがんばってきて、でもタイミングが違くて。
そして自分でタイミングを見つけて勇気を出して会いにいった。
一方的に会いにいった俺を迎えてくれて、一言『ありがとうございました』と言って帰るつもりだったが、その方が練習をしていっていいという事で、失礼を承知でありがたく練習をさせていただいた。
練習をしながら何度も涙が出てきそうになった。だけど、今は泣くタイミングではないから、心で涙をこらえて練習を続けた。
練習終わりに話しをしていて、(緊張して、俺は何も言えなかったが)一度、完全に涙が出てきたがそれでも必死にこらえた。
帰り際の握手した手がすごく優しかったのがものすごく印象的だった。
俺は今年必ずベルトをとらなくてはいけない。そして、その時にベルトを持っていって堂々と泣きたい。